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竹内勤先生を囲む会

竹内勤先生を囲む会

今日は関節リウマチの生物学的製剤ヒュミラの
HOPEFULstudyを囲む会と題して
日本のリウマチの第一人者である竹内勤先生をお迎えした
少人数のCLOSEDの会が催されました。

94.3%が高疾患活動性に当てはまるという
日本人の発症2年以内の早期関節リウマチ患者さんに対して
MTX6-8mg単独とMTX6-8mg+ヒュミラを比較した場合
ヒュミラを併用した群では62%がレントゲン上の進行がなかった
(MTX単独では35.4%)というHOPEFULstudyの結果を受け
本日のdiscussionがなされました。

MTXは現在16㎎までの使用が認められておりますが、
このstudyの現状では8㎎までしか認められていない時代のものです。
MTX8㎎まででは、やはり十分に関節破壊を抑えられないことがわかります。
なおかつ、高疾患活動性の患者さんにおいては
生物学的製剤を当初からMTXと併用で使用したほうが
関節破壊が抑制できることが示されました。

CONCERTOstudyではヒュミラとMTX2.5㎎、5㎎、10㎎、20㎎の
それぞれの併用が比べられた欧米のstudyですが、
MTX5㎎と10㎎では差はみられるものの、10㎎と20㎎の間では差が見られず
実は10㎎程度でコントロールできるのではないかとの議論が生まれているようです。

これが体重の重い欧米人ですから、
日本人においては8㎎-12㎎当たりが必要十分なのかもしれません。
もちろん、MTX12㎎でコントロールできない患者さんがいるのも事実で
Treat to TargetとTight Controlという点からは
3か月以内に可能な限りMTXを16㎎まで使用し
6か月以内にMTXのみでコントロール可能かどうか判断する必要があります。

6か月以内にMTXで寛解、もしくは低疾患活動性が得られない場合には
関節破壊が進行し、その後に生物学的製剤を加えても破壊された関節は戻らないため
ヨーロッパリウマチ学会の新しいEULAR RECOMMENDATIONでも
6か月以内にコントロールできなければ生物学的製剤の導入を考慮することになっています。

また、MTXと生物学的製剤を使用しても関節が壊れる人がいるのも事実で
その場合にはMTXの量が足りないことや
足趾が評価されていないこと
超音波による関節の評価
より早期に強力な薬物療法を行うことで
もっと関節破壊を減らせるのではないかという話が出ました。

特に高疾患活動性の患者さんでは急速に関節破壊が進むRRP(Rapid Radiological Progression)
の患者さんが増えることから、
高疾患活動性でなおかつRF陽性、抗CCP抗体陽性、すでに関節破壊が進んでいる
などのリスクファクターがある場合には、最初から生物学的製剤を導入したほうがよい
ということも確認されました。
実際に竹内先生もそのように使用されているそうです。

また、CRPは関節破壊の指標としては相関が弱く、
MMP-3100が関節破壊が進みにくい一つの指標であること
そして、IL-6(現在は研究段階のみの検査ですが)が
関節破壊とよく相関することが示されました。

竹内先生のMAC BOOKにはリウマチにおけるすべての研究の
evidenceが入っているようで
話題に上ったデータを示すスライドや研究結果が次々に提示されて
またそのデータをすぐに拾い出せる脳みそをお持ちである竹内先生に
改めて感心してしまいました。

日本を代表する世界の竹内先生。
すごい人です。

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さいとう整形外科リウマチ科 院長通信




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この記事の執筆者プロフィール

さいとう整形外科リウマチ科

院長 斎藤究

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

院長紹介

日本整形外科学会専門医・日本リウマチ学会専門医・日本整形外科超音波学会会員

経歴

1999年

国立浜松医科大学卒 国立国際医療センター 内科研修医

2001年

東京災害医療センター 救命救急レジデント

2002年

刈谷総合病院 整形外科

2006年

名古屋医療センター 整形外科リウマチ科 /
名古屋医療センター 卒後教育研修センター指導医

2010年

Los Angeles Veterans Affairs hospital留学

2011年

さいとう整形外科リウマチ科平和が丘に開院

主な著書

あなたも名医! 運動器エコー 痛みの臨床など6著書(共著含む)

PROFILE

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

日本整形外科学会専門医日本リウマチ学会専門医日本整形外科超音波学会会員