骨密度の検査を受けたときに、「腰椎と股関節で数値が違いますね」と言われたことがある方もいるのではないでしょうか。
実際、骨密度は体の中で均一ではありません。
特に、腰椎と大腿骨(股関節まわり)は重要な測定部位とされています。
今回は、骨密度の部位による違いや、骨粗鬆症の診断基準について、分かりやすく整理していきます。
目次
骨粗鬆症の検査で骨密度を知る

腰椎と大腿骨で骨密度を測定
骨密度の測定部位は、国際的には腰椎、または大腿骨での測定が基本となっており、当院では腰椎と大腿骨の両方を測定しています。
これまで普及していた手首や踵の骨密度測定は、腰椎や大腿骨で測定できない場合の参考値にはなります。
骨密度は身体の中で均一ではない
しかし手首や踵で測定して大丈夫と言われた方でも、骨密度は身体の中で均一ではないため、腰椎や大腿骨といった重要な部位で測定すると骨密度が低い場合もあります。
そのため、一度腰椎・大腿骨骨密度を測定することをおすすめします。
腰椎と股関節(股関節まわり)の骨密度はなぜ違うのか
骨密度は、体の中で同じように低下するわけではありません。
腰椎は日常的に体重がかかる部位で、骨の入れ替わり(代謝)が比較的活発な場所です。
一方で大腿骨は、加齢の影響を受けやすく、転倒したときに強い負荷がかかるため、骨折しやすい部位でもあります。
さらに、骨のつくり自体にも違いがあることから、腰椎と股関節では骨密度の数値に差が出ることがある、というわけです。
【名東区】さいとう整形外科リウマチ科の骨密度測定

当院では、腰椎・大腿骨の骨密度を測定できる「DEXA法」を取り入れています。
骨粗鬆症のガイドラインでも基準とされている検査で、手関節や踵の検査よりも正確に評価できます。
また、治療中の方の効果判定にも用いられるため、経過を確認していくうえでも重要な検査です。
名古屋市では40歳から5歳ごとにクーポン券が送付されており、お持ちの方は無料で検査を受けられるので、気になる方はお気軽にご相談ください。
骨粗鬆症の診断基準
骨粗鬆症かどうかの診断は、2012年度改訂版の原発性骨粗鬆症診断基準によると以下のとおりです。
背骨の骨折、または大腿骨の骨折がある
その他の脆弱性骨折があり、かつ骨密度が若年成人平均値の80%以下
2. 脆弱性骨折がない場合
骨密度が若年成人平均値の70%以下
骨粗鬆症が引き起こす要介護のリスク
女性では50歳前後の閉経を迎えると、女性ホルモンの分泌が低下するために急速に骨密度が下がっていきます。骨密度や骨質が低下し、骨粗鬆症が進んだために発生する骨折を「脆弱性骨折」と呼びます。
脆弱性骨折で頻度の多いものは、背骨・大腿骨のつけね・手首・上腕骨のつけねなどです。
背骨(胸腰椎の圧迫骨折)や大腿骨の頚部骨折を起こすと、日常生活動作レベルが下がることにより要介護度が上がったり、高齢者では寝たきりにつながることもあります。
骨折リスクと骨粗鬆症予防
骨折リスク
背骨はこれまで骨折を自覚していなかった方でも、若い時に比べて2cm身長が縮んだ方では骨折が隠れている可能性(いつの間にか骨折)があると言われます。
胸腰椎圧迫骨折をしたことのある方では、再度圧迫骨折するリスクは3~4倍。大腿骨のつけねを骨折するリスクは3~5倍になります。
大腿骨のつけねを骨折したことのある方では、新規に骨折するリスクが2.5~6.48倍となります。
骨粗鬆症予防に大切な栄養素
骨粗鬆症を予防するためには、思春期から閉経までにしっかりと運動して、たんぱく質・カルシウム・ビタミンD・ビタミンKといった骨の形成に役立つ栄養素をとっておくことが大切。
閉経を過ぎると、食事だけでは骨密度が増えないことがわかっています。
骨折による身体への影響
背骨を骨折したときには、こんな症状が現れてきます。
・背が縮む
・腰が曲がる
・内蔵が圧迫される
・肺の圧迫により呼吸が浅くなる
・胃の圧迫により胃酸がこみ上げる
痛くて寝ている期間が長くなれば、全身の筋力も衰えます。
大腿骨を骨折すれば歩けなくなり、手術が必要となります。手術をしても杖が必要になったり、車椅子になる人もいます。
腰椎・大腿骨での骨密度測定のすすめ
骨折してから後悔する前に、まずは自分の腰椎・大腿骨骨密度を測定して、骨粗鬆症ならば時間を味方につけて早めにお薬で治療することが大切ですね。
当院でも腰椎・大腿骨の骨密度測定を行っていますので、気になる方はお気軽にご相談ください。

