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骨粗鬆症治療薬プラリアの臨床効果

骨粗鬆症治療薬プラリアの臨床効果

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骨粗鬆症治療薬プラリア

当院で力を入れて取り組んでいることの一つに、骨折を未然に防ぐ、骨粗鬆症の発見と治療があります。

中でもH26年から使われ始めている骨粗鬆症治療薬のプラリアは、半年に1度注射をすれば良いという簡便さで、しかも他のお薬ではなかなか増えにくい大腿骨の骨密度を増やすことのできるお薬です。

当院でも発売からいち早く導入しており、特に
・腰椎よりも大腿骨の骨密度の低い方
・ボナロンやボノテオなど、月に1回起床直後の空腹時に内服するお薬が飲みづらい方
・重度の骨粗鬆症はあるけど、自己注射薬や毎週通院して注射するのはちょっと、という方
・自己注射薬を2年間終了した方
などにオススメしています。

一緒にエディロールというビタミンD製剤を内服していますが、たまに高カルシウム血症が見られるため、3ヶ月に1回来院していただき、採血を行います。

プラリア自体は血液中のカルシウム濃度が下がることが懸念されるのですが、当院で130人以上の使用経験の中では、注射後1週間目の採血で5名の方が低カルシウム血症を呈していました。全員、カルシウム剤を追加して内服していただいたことで正常値に戻りました。

肝心の骨密度ですが、腰椎だけでなく大腿骨も2年以上にわたり上昇を続けていました。
また、骨形成促進薬であるフォルテオを使用した後にプラリアを使用した人でも、さらに骨密度の上昇効果が確認されました。

通常、毎日自己注射を行うフォルテオの使用は2年間に限定されるため、その後の治療を行わなければせっかく上がった骨密度も低下してしまいますが、プラリアにスイッチすることでさらなる骨密度の上昇効果が期待できるのは嬉しいことですね。

以上のことをスライドにまとめて、7/16に開催された骨粗鬆症フォーラムで発表させていただきました。

骨粗鬆症は沈黙の病気とも言われており、健診などで見つけない限り、骨が折れてから気づくことになります。

骨が折れてしまう前に、名古屋市の健診などを利用して自分の骨密度を知り、早くから骨密度を強くしておくことが何より大切です。

また、健診を行うのであれば簡易的な手首や踵の骨で測るのではなく、実際に寝たきりにつながってしまう腰椎と大腿骨の骨密度を測定することが大切です。

骨粗鬆症による骨折は連鎖することが特徴です。だって、身体中の骨が弱くなってるんですから。

骨粗鬆症の治療をすることは、骨折のリスクが下がるだけでなく、同時に介護が必要になることを防ぎ、ご家族が働ける時間を確保することにもなります。

骨粗鬆症の治療には時間がかかります。
時間を味方につけて、早くから骨密度を増やし、しなやかで強い骨を作っておきたいですね。

身長が若い時と比べて2cm縮んだ方
骨折したことのある方
最近腰が丸くなってきた方
お母さんが骨粗鬆症であった方
は、早めにご相談くださいね。

骨粗鬆症

整形外科

この記事の執筆者プロフィール

さいとう整形外科リウマチ科

院長 斎藤究

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

院長紹介

日本整形外科学会専門医・日本リウマチ学会専門医・日本整形外科超音波学会会員

経歴

1999年

国立浜松医科大学卒 国立国際医療センター 内科研修医

2001年

東京災害医療センター 救命救急レジデント

2002年

刈谷総合病院 整形外科

2006年

名古屋医療センター 整形外科リウマチ科 /
名古屋医療センター 卒後教育研修センター指導医

2010年

Los Angeles Veterans Affairs hospital留学

2011年

さいとう整形外科リウマチ科平和が丘に開院

主な著書

あなたも名医! 運動器エコー 痛みの臨床など6著書(共著含む)

PROFILE

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

日本整形外科学会専門医日本リウマチ学会専門医日本整形外科超音波学会会員

「骨粗鬆症治療薬プラリアの臨床効果」への4件のフィードバック

  1. 2016年8月交通事故により腰椎2か所圧迫骨折、コルセットとリハビリで2カ月入院しました。その間フォルテオの自己注射を2年間のところ1年で中断し、(現在のCT,レントゲンではきれいになっているらしいです)今に至っています。この間受診の折り来年早々に半年に1回の注射(プラリオ?)をしましょうと言われておりますが、副作用のことを考えると怖くて踏み切れません。ボナロンの錠剤ではいけませんか?それともフォルテオを再度打った方がいいのでしょうか?
    毎日、牛乳、チーズ、ヨーグルト、歩きを心がけています。
    骨密度も効果が出てきたそうです。ご意見お願いします。

  2. 安立さん

    どの治療薬を選択するべきかは、現在の年齢、骨密度(腰椎と大腿骨で測ったもの)、これまでの治療歴、採血結果などにより考慮すべきものです。
    フォルテオ後のプラリアの選択は良いかと思いますが、現状のデータがないためこれ以上のアドバイスはブログではできないため、現在の主治医の先生とよくご相談なさってください。

  3. 78歳女性です。6年前に第1腰椎圧迫骨折になり、ビスホスホネート製剤を服用していました。
    今年の5月にぶどう膜炎になり、ビスホスホネート製剤が原因かもしれないという事で中止することになりました。
    その後、10月に第12胸椎圧迫骨折になり激痛で入院しています。
    それで来週からプラリアの治療を始める事になるのですが、注射というのも不安なのですが、薬に敏感なので、このような状態なら、どの薬が一番いいのかご意見お願いします。

  4. 梅原さん

    圧迫骨折2箇所もしているということは、それなりの治療は必要でしょうね。
    現在の骨密度が記載されていませんが、一般的には
    2箇所も骨折していてビスがダメなら選択肢はフォルテオ自己注射、テリボン、プラリアなどになってくるでしょう。
    そのほかのデータやご本人の継続性などを考慮して、主治医の先生とよくご相談ください。

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