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名古屋市の新型コロナウイルス

名古屋市の新型コロナウイルス

次第に新型コロナウイルスの感染者(PCR検査陽性者?)の数が増えてきてはいます。

名古屋市内の新型コロナ感染者数は愛知県のサイトで確認することができ、最近は40-50人/日ですね。累計の数字(黄色線)は7月頃から上がってきています。

https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000126920.html

この名古屋市のサイトにある生データをもとに、グラフを作ってみましょう。

2020年7月頃から、急に累計検査実施人数が伸びていることがわかります。そして、検査陽性者数は検査実施人数の増加に伴い増えていることがわかります。

PCR検査ができる体制が整ったとみることもできますが、スクリーニングにPCR検査を使用し始めたのもこの頃です。

そもそもPCR検査は一定数の偽陰性と偽陽性が出るため、スクリーニング検査に用いてはいけないものです。

検査の正確性が99.9%であれば、0.1%は偽陽性が出るということですから、1000人検査すれば1人は新型コロナにかかっていないのに、コロナにかかったとされてしまいます。

偽陰性は本当に新型コロナであっても、そうではないと出てしまうので、感染拡大させてしまう可能性が大きくなります。

この図からは、検査陽性になってもほぼ同数の患者さんが退院していることがわかりますね。

そもそも本当に新型コロナだったのか、偽陽性だったのかはわかりません。

それでは最初のグラフから、数字の大きい累計検査数を外すと累計陽性者数が伸びた後、2週間ほどして退院者の数が同じカーブを描いていることがわかります。つまり、検査が陽性だったために2週間ほど入院して隔離しているけど、もともと入院する必要はなかった人たちもたくさん混ざっているかもしれません。

青色の日別新規陽性患者数(これは累計ではありません)は検査の増えた7月中頃から増加していますね。1日に数十名~700名ほどのPCR検査が行われていることになります。

この図からは、入院患者数が3500人近くになってきていても、累計死亡者数はほとんど増えていないことがわかります。

それでは、累計陽性者数と累計退院者数の大きな数字を外して小さなスケールで見てみましょう。

7月中頃から1日当たりの新規陽性者数が急激に増えたことが、2週間後の累計死亡者数の増加に関係しているように見えます。

それでは、2020.11.3現在の名古屋市内の累計死亡者数が62人、累計陽性者数が3455人ですから、死亡確率は1.794%です。100人の検査陽性者がいるとすると、1.8人程度が死亡していることになります。

検査陽性になった場合に、累計退院者数は3102人ですから、陽性者の中ですでに退院した人は0.8978%ですから、89.8%がすでに退院しており、8.4%の人は入院中ということになります。(89.8%+1.8%=91.6%、100%-91.6%=8.4%)

市のHPに記載されている死亡者情報では、70代~90代の高齢者がほとんどで、基礎疾患や詳細については公表されておらず、ここからは読み取れません。

医師会で発行されている名古屋医報R2.11.1号では、2020.9.13日現在の死亡者数総計52人 死亡割合1.9%、死亡者の年齢中央値は83歳(65-94歳)と記載されています。

日本全体の累計でも本日時点で累計感染者数(陽性者数?)103926人、死亡者数1798人ですから、1.7%程度と、名古屋市の数字とほぼ同じです。

それでは、この1.8%というのはどのような数字でしょうか。

インフルエンザの致死率は新型コロナのように検査陽性数、死亡者数がカウントされていないため、比較は困難です。

例えば、高齢者の死亡割合の高い誤嚥性肺炎では、2016年には男子21,730人,女子16,920人がなくなっています。誤嚥性肺炎は感染症による肺炎ではありませんが、累計で年間38000人以上が亡くなっています。

新型コロナの死亡者数は日本全体で現時点で1798人。

この数字をどう見るかは、個人個人の不安の程度かと思います。

しかし、当院の患者さんで今現実に起こっていることは、コロナを恐れるばかりに自宅から出ない高齢者では骨粗しょう症の治療を継続していても大腿骨の骨密度が下がり、下肢筋力が弱り、確実に体力が弱っているということです。

逆に、ちゃんと外に出て歩いている人では、骨粗しょう症の治療効果も上がっています。

患者さんには出来るだけ座っている時間を短くする様にしましょう、とアドバイスしています。

若い人でもリモートワークになり、体が硬くなり首・肩こり、腰痛、臀部痛、下肢痛で来院されている方が多くみられます。

過敏になりすぎず、正しい知識を持って感染症対策を行っていくことが肝要ですね。

当院では現在、発熱のある患者さんの診療は行っていませんので、自宅療養、または内科を受診していただき、熱が下がってから当院を受診していただくようにお願いしております。

また、院内では入室時に手指アルコール消毒とマスクの着用をお願いしております。マスクを忘れた方には受付でお渡ししております。

これから寒い季節になりますが、院内換気のため風除室の表側は開け放してあります。院内も窓を開けて隙間風を作っておりますので、体温調節のために院内では適宜上着の着用をお願いいたします。

また、適宜院内のアルコール清拭も行っておりますが、椅子は間隔をあけてお座りいただくようにお願いいたします。

この記事の執筆者プロフィール

さいとう整形外科リウマチ科

院長 斎藤究

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

院長紹介

日本整形外科学会専門医・日本リウマチ学会専門医・日本整形外科超音波学会会員

経歴

1999年

国立浜松医科大学卒 国立国際医療センター 内科研修医

2001年

東京災害医療センター 救命救急レジデント

2002年

刈谷総合病院 整形外科

2006年

名古屋医療センター 整形外科リウマチ科 /
名古屋医療センター 卒後教育研修センター指導医

2010年

Los Angeles Veterans Affairs hospital留学

2011年

さいとう整形外科リウマチ科平和が丘に開院

主な著書

あなたも名医! 運動器エコー 痛みの臨床など6著書(共著含む)

PROFILE

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

日本整形外科学会専門医日本リウマチ学会専門医日本整形外科超音波学会会員