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ためしてガッテン!リウマチの初期診断
以前、NHK「ためしてガッテン!」で、関節リウマチについての特集がありました。
番組では、リウマチの早期診断のむずかしさと、いかに現在のリウマチ治療が進歩しているかというお話を、具体例を取り入れながらわかりやすく解説されていました。
今回の記事では、番組内で解説されていた内容をもとに、リウマチの症状や診断方法についてご紹介します。
超初期のリウマチはレントゲンに映らない!?
レントゲンは骨を見るための検査ですが、発症の超早期のリウマチ患者さんではレントゲンに所見は現れません。
発症から3か月経過すると30%の人でレントゲンにて骨に小さな穴を認め、発症2年では70%以上の人で骨に変化が認められるとの報告があります。
虫歯のように骨に穴があいて、骨が溶かされていくのですが、発症超早期には骨に変化はなく、レントゲンではわかりません。
早期関節リウマチのサイン
NHK「ためしてガッテン!」では、早期関節リウマチの症状のサインは
1.関節に腫れがある
2.腫れを押すとブヨブヨしてる
3.朝起きた時に痛んだり、動かしにくい (こわばり感)
という項目を挙げていました。
1987年のリウマチ分類基準では、対称性の関節腫脹であるとか、レントゲンで穴があいていることなどがリウマチ診断のポイントとされていました。
しかし、関節を壊さない治療(高容量MTXの内服と生物学的製剤の治療など)が可能となった現在では、骨に穴が開いてしまってから診断していたのでは遅すぎます。
2010年に新しい分類基準が提唱され、
関節の腫れ、採血での炎症反応、リウマチ因子、6週間以上の持続
などが診断のポイントになっています。
超音波で赤く見える理由
リウマチは関節の滑膜という部分に炎症(滑膜炎)が起こり、滑膜が異常増殖して腫れてきます。
滑膜炎が手で触ってもわからない段階から、痛い関節を超音波で見てみると、関節の中で増殖した滑膜炎が赤々と燃えている像が見えます。
実際には滑膜の血液の流れが炎症で増加しているため、超音波のドップラー像で赤く見えるのです。
超音波で関節リウマチの診断・経過把握
当院でも超音波診断は開業時から取り入れていますが、今やリウマチ診断、治療経過の把握にとっても、超音波はなくてはならないツールとなっています。
指のこわばりや腫れ、といった症状でも、腱鞘炎や年齢による関節の変形、といったこともあります。
関節痛は早期診断を
初診料と超音波の検査だけなら、3割負担の方でも1,800円~2,500円ほどで受診できます。
リウマチの疑いが強い場合には、採血検査やレントゲン検査も必要です。
リウマチは早期診断、早期治療が可能となり、かつ重要です。
指のこわばりや痛み、その他全身どこの関節痛でも、早く専門医に受診することが大切ですね。