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日本リウマチ学会 1日目

日本リウマチ学会 1日目

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本日からクリニックは休診。
日曜日まで日本リウマチ学会のため京都に来ています。

京都国際会議場に日本中のリウマチ医が集まります。

初日の今日は
朝から「低分子化合物 新しい経口抗リウマチ薬」
というセッションを聞きました。

間もなく世に出るJAKinhibitor トファシチニブ
CD4Tcellの抑制、IL-6やMMP-3の抑制により骨破壊も抑制したというデータが示される一方
ウイルス感染のリスクがあり、帯状疱疹の発生が多いため
ベースラインにおいてのT細胞が少ない患者さんでは注意が必要であり
現状では他剤で効果不十分だった患者さんに使用をすることが
よいのではないか、という提案がありました。

先日発売された経口抗リウマチ薬 イグラチモドについては
NFκBの活性化抑制を介して投与8週で効果を示し
アザルフィジンと同等の効力が証明されていること。
MTXとの併用で、MTX+生物学的製剤と同様の効果がみられ
コストパフォーマンスに優れるが、
まだ骨破壊抑制効果は証明されていないこと
などが示されました。

東京女子医科大学の山中先生からは
生物学的製剤アクテムラの薬剤経済学的検討
というご講演があり、
京都府立医科大学 川人先生からは
DMARDSの適応と使い方
として、生物学的製剤以前のMTXを含めたDMARDSの使い方、
その併用療法についてご講演がありました。

併用療法としてはSWEFOT試験において
MTX+生物学的製剤レミケードとMTX+SASP+HCQを比較し
ACR50反応性、関節破壊抑制効果ともにやや劣るものの
有意な差はなかったこと
TEAR試験において生物学的製剤エンブレルとMTX+SASP+HCQを比較し
骨破壊抑制効果において有意差はないこと。
そして日本においてはJaSTARstudyとして
MTX+BUC+SASPがMTX+TNF阻害薬と比較して
治療6か月目の臨床的寛解(DAS282.6)達成率が
36.2% vs 40.8%と有意差がつかなかったこと
一方MTX+BUC+SASPの治療継続率が勝っていたことが示されました。
さらにIMPROVEDstudyの結果から
未確定関節炎(UA)、早期リウマチに対して
DAS281.6の厳しい寛解基準を目標として
MTX25mg/w+PSL60mg/日という
日本のリウマチ治療からするととても多くの量の薬を用いたところ
1年後には68%が寛解。さらに32%がDrug Free寛解を得ており
関節破壊の進行は見られなかったとのことでした。

今日1日を通して
7種類の生物学的製剤が出現して
寛解達成、骨破壊抑制がTREAT to TARGETというスローガンの元
現実のゴールとなった一方
注射製剤という煩雑さ、医療経済、コストパフォーマンスの問題があり
これまで使用されてきた個々のDMARDsが併用療法として
注目を浴び、その真価が見直されてきているという
リウマチ治療の変遷が見えました。

夜は北海道内科リウマチ科病院のみなさんや
新潟の先生たちと合流して
楽しい夜を過ごしました(^O^)

明日も朝からお勉強です!

この記事の執筆者プロフィール

さいとう整形外科リウマチ科

院長 斎藤究

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

院長紹介

日本整形外科学会専門医・日本リウマチ学会専門医・日本整形外科超音波学会会員

経歴

1999年

国立浜松医科大学卒 国立国際医療センター 内科研修医

2001年

東京災害医療センター 救命救急レジデント

2002年

刈谷総合病院 整形外科

2006年

名古屋医療センター 整形外科リウマチ科 /
名古屋医療センター 卒後教育研修センター指導医

2010年

Los Angeles Veterans Affairs hospital留学

2011年

さいとう整形外科リウマチ科平和が丘に開院

主な著書

あなたも名医! 運動器エコー 痛みの臨床など6著書(共著含む)

PROFILE

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

日本整形外科学会専門医日本リウマチ学会専門医日本整形外科超音波学会会員