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リウマチーム・ワークショップサミット2018

リウマチーム・ワークショップサミット2018

今日は東京有明で開催された、リウマチのチーム医療の会に
当院の看護師・理学療法士・医療事務さんと共に参加してきました。

全国の施設から、クリニックで参加していたのは当院だけ。
有名リウマチ病院に交じってクリニックでできるリウマチチーム医療について
スタッフと共に考えるよい機会にになりました。

名古屋医療センターでリウマチ診療をしていたころに比べて
クリニックでリウマチをやることの大きな変化は
毎日僕が診療しているので、何かあればすぐに相談しに来てね、と言えること。
看護師も部署の移動がなく、積み上げてきた知識とスキルが今の患者さんに還元できること。
いつも同じ顔がクリニックにいるため、安心できること。
病院でのリハビリはほとんどの施設において
術後のリハビリに限られているが、
クリニックでは手術が必要ないレベルの
機能障害もリハビリで治療することができること。
地域の各科クリニックと連携することで、
曜日に縛られずに医療連携が図れること。
超音波やレントゲンの検査はいつでもできること。
などなど、数限りないメリットがあります。

一方クリニックではできないこととしては、
手術(手術をしているクリニックもあります。)
が大きい。
でも、これも手術の上手な先生を選んで連携することで解決できます。

あとは、栄養管理士・臨床心理士・医療ソーシャルワーカーのアドバイスなどですが、
栄養管理士、臨床心理士のアドバイスは受けられない病院のほうが多いですね。

これだけ治療が進化して専門分化したリウマチは
医師一人ではリウマチ患者さんの長い人生をサポートすることができなくなってきました。
チームでリウマチ患者さんを支えることはもはや必須です。

一方、リウマチ専門施設と、まだ最新の治療薬すら十分に使えない施設との格差は
開くばかりです。

大阪の橋本淳先生とパチリ。

以下、今回の勉強会のtipsです。

橋本淳先生
リウマチ患者さんとそうでない人の寿命は変わらなくなってきている。
100歳時代のリウマチのチーム医療により全人医療を行う。
テクノロジーの進歩により治療ゴールが変化。
趣味、スポーツを楽しむリウマチ患者さんも当たり前になった。
手術も機能的なものから、外観的なものが増えつつある。
足関節の人工関節の成績もよくなってきて、7年で2例/50例のみ再置換術に。
足趾の骨頭温存術は素足で負見返しができる。
高齢になっても片足立ち、太極拳もできる。
日本は中足骨頭温存手術の報告が非常に多い。
リウマチであったとしても、関節温存は手術のオプションである。
Hirao M JBJS 足趾骨頭温存手術のまとめ
昭和ではなく、平成30年のリウマチ医療を!
リウマチの治療が遅れれば、ゴールとしての日常生活活動レベルが低下していく。
歩行できなくなれば骨粗鬆症も進み、骨折の未来が近づいてくる。
旅行、スポーツが楽しめるリウマチ治療を!
新しい知識をつけること以上に難しいことは、古い考えから解放されること。
精神の隅々まで値を張った古い考えを忘れること。
リウマチは100歳時代に!
100歳を迎えるにあたっての様々な問題に寄り添い、薬物療法、手術療法、リハビリ、ケアの4本柱を十分に活用するリウマチ医療が求められている。
100歳時代のRA医療には、多職種連携で支えるチーム医療が必要。
各科医師、看護師、理学療法士、医療事務、義肢装具士、医療ソーシャルワーカー、、、、
リウマチロコモチェック外来 リウマチ患者さんの身体機能を整形外科医と理学療法士でチェック。早期に機能低下を防ぎ、向上させるリハビリテーション、インソール、装具療法の導入へ。手術の必要性も早期に判断し、他の関節への連鎖障害を防ぐ。
足趾のチェックで感染も見逃さないように。フットケア外来。自己負担でも2か月先まで満員。日本フットケア学会で勉強。
妊娠出産育児の会
慢性疼痛管理の会 リウマチが寛解になったのに痛い患者さんに臨床心理士が関与
栄養管理の会 栄養士
リウマチ広域連携としての考え方。
診断の難しい患者の診断、治療の難しい患者の治療・・・自院の特徴を作る。
リウマチの治療格差をもっと減らすためには、身近にリウマチが相談できて、手術や特殊な治療が必要な場合には適切に連携ができる施設がもっと必要。
医療業界を超えたチーミングも必要。「チームが機能するとはどういうことか。」英知出版

高橋良先生
教育・EBM
リウマチ性疾患
チーム医療
未来の日本へ向けて。

日本は国民皆保険で医者にかかりやすい一方、医師不足も世界ワースト
医師だけでなく、コメディカルも活躍して総力戦で乗り切るしかない。

EBM 7%が発表された時点で、15%が1年以内、23%が2年以内に結論が覆されている。
ANN Intern Med 2007 Aug 21
今ガイドラインに載っていることは、10年後には悪しき習慣になっているかもしれない。

EBMとは?
診断・活動性・患者さんの気持ち・背景
教科書読んで、pubmed検索・・・医者はここを一番大事にする。
この研究を信じてよいのか
この患者さんにはあっているのか?・・・ここが一番大事。
問題は解決されたか

mHAQで書かれている生活レベルは現代には古い。
患者さんが困っていることは、現在の生活レベルに合わせたものに。スマホ、パソコン、ipad、介護、仕事のあり方。

三崎先生
Prophyromonas gingivalis菌が口腔内に多いと、関節の滑膜炎が消えない。抗CCP抗体産生を促してしまう。歯科との連携が必要。
関節リウマチの死因は心血管イベントが多い。
リウマチと動脈硬化
樹状細胞がIL6やTNFαを出して炎症を起こして関節を壊すとともに、動脈硬化も進行する。
CRPが高いと動脈硬化は進行する。
看護師も超音波を行うことで温かいゼリーに手を添えてtouching効果も。

NTT西日本大阪病院 房間看護師
生活習慣と食習慣
毎日食べているもの。はまっているもの。

コストをかけずに可能なサービス向上の必要性
コストのかかること、かからないこと

忙しい医師の時間をコメディカルができることを分担する。

PROFILE

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

日本整形外科学会専門医日本リウマチ学会専門医日本整形外科超音波学会会員