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リウマチ患者さん・高齢患者さんのコロナ対策

リウマチ患者さん・高齢患者さんのコロナ対策

日本リウマチ学会から、
リウマチ患者さんに向けた
新型コロナウイルスCOVID19への
対策が示されています。

医師向け情報の中から、
リウマチ患者さんが読んでおくと良いと思われる部分を抜粋してこちらに転載させていただきます。

大切なことは、煽動的なテレビの情報に不安になり、リウマチのお薬を自己中断してしまわないことです。

十分にお薬がコントロールしてくれていれば、リウマチの疾患活動性(炎症の強さ)は炭火のように鎮静化していてくれますが、お薬の自己中断により、また活動性に火がついて燃え始めてしまうと、その火を抑えるためには、より多くのお薬を必要とする場合があります。火事と同じですね。

当院にはリウマチ患者さんや高齢の方も多くいらっしゃるため、風邪症状のある患者さんは、軽症であれば回復するまで自宅待機して、治癒してから当院に受診してください。

肺炎が疑われる症状(下記)がある場合には、帰国者・接触者相談センターに相談してください。

肺炎が疑われる症状:37.5度以上の発熱が4日(リウマチ、高齢者、妊婦では2日)以上続く場合や、息苦しい、強いだるさや倦怠感

名古屋市の帰国者・接触者相談センター
http://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000125533.html

当院へ受診中の患者さんで、風邪症状がある場合には、当院へ御来院いただく前に、上記肺炎が疑われる症状に当てはまるかご確認いただき、帰国者・接触者相談センターもご利用ください。

以下、日本リウマチ学会ホームページからの抜粋です。

Q1:リウマチ・膠原病などで免疫が低下している人が注意する事はありますか?

A: 新型コロナウイルスの付着を避けることと、付着した場合でも口や鼻からウイルスを体内に入れないように注意して下さい。

付着を避けるためには、流行期間中は人混みを避けることやマスクを着用することが有効です。

ウイルスを口や鼻から体内に入れないためには、アルコール手指衛生剤による手指消毒や石鹸を使用した手洗いが有効です。

特にマスク表面に付着したウイルスが手を介して口や鼻から感染することもありますので、マスク着脱前後や帰宅後、食事前などは特に手指消毒や手洗いを行ってください。

流行地域を訪問した後2週間の間に体調不良が現れた場合は、まずかかりつけの医師や最寄りの保健所に電話で相談してください。

Q2:感染が疑われる場合、どこで相談すれば良いでしょうか?

A:一般的には、
・風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合
ですが、
リウマチ・膠原病の患者さんでは、
抗リウマチ薬、免疫抑制薬、ステロイド薬を服用している方も多く、免疫抑制薬を用いている方に相当しますので、2日以上続く場合は、帰国者・接触者相談センターに相談していただくことになります。
これら薬剤を用いていなくても、高齢者、糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など)の基礎疾患がある方や透析を受けている方も同じ様に2日以上、症状が続いた場合は、相談してください。
妊婦の方は、念のため、重症化しやすい方と同様に、早めに帰国者・接触者相談センターに相談してください。

なお、発熱が続いて、病院受診になった際は、くしゃみや咳の飛沫が飛ばないように、マスクやハンカチを用いて咳エチケットを行って受診ください。
また、アルコール手指衛生剤を用いた手指消毒、あるいは、石鹸による手洗いを、こまめに行うように注意してください。
周囲に拡げない、という意識を持っていただくことも大事です。

現時点で、子どもが重症化しやすいとの報告はありませんので、目安どおりの対応をお願いします。なお、インフルエンザなどの心配があるときには、通常と同様に、かかりつけ医などに相談してください。

・ 正しい手指衛生(手洗いや手指消毒)を心がけて下さい
・ 咳エチケットや正しいマスク着用を心がけて下さい
・流行時には、人混みへの不要不急の外出を避けて下さい

Q3:バイオ製剤(生物学的製剤)を使用する免疫抑制者にとり、今の日本の状況においては、実際に感染し肺炎を発症した場合を想定して準備をすべきステージに既にあると考えます。予防と言うよりは、むしろ肺炎に罹った事を想定して、いかに重症化させないかにフォーカスされるべきです。現在の情報は?
A:現在得られている情報は極めて限られており、重症化のリスクにあげられている明確なものは、高齢者、糖尿病、高血圧であり、リウマチ膠原病とその治療薬に関するものは報告が有りません。情報が得られ次第、ホームページを更新してまいります。

Q4:患者さんから『免疫抑制薬をどの様にしたら良いか』という質問を受けた場合の対応はどの様にしたら良いですか?

A: 現時点では、免疫抑制薬服用者が感染リスクを上昇させるというエビデンスは報告されていません。

重症化のリスクが上昇することが報告されているのは、糖尿病、高血圧、心疾患、脳血管疾患です(参考資料1)。

これらのリスク評価を行い、リスク・ベネフィットを慎重にご検討ください。

減量・中止によって原疾患の再燃や増悪を来す恐れがあること、COVID-19の病態に炎症性サイトカインや免疫が関与している可能性が考えられていること(参考資料2,3)、などを考慮する必要があります。

以上から、免疫抑制薬、生物学的製剤、抗リウマチ薬、ステロイドは、原則として同じ用量で継続投与とし、感染症の兆候がある場合は、これら薬剤は機序的に重篤化のリスクが考えられますので、ステロイドは原則同じ用量で維持、他の薬剤は減量や投与の一時的延期などを慎重に検討し、通常の感染症時と同様に御対応ください。

また、COVID-19をはじめとする感染予防には、アルコール手指衛生剤を用いた手指消毒、あるいは、石鹸による手洗いをこまめに行う事、ならびに咳エチケットの励行が重要で、この点をご指導ください。

参考資料1:JAMA online February7 2020
参考資料2:National Geopgrahic日本語版『新型コロナウイルスに感染するとこうなる』
参考資料3:日本内科学会雑誌:【緊急掲載】新型コロナウイルス感染症について

PROFILE

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

日本整形外科学会専門医日本リウマチ学会専門医日本整形外科超音波学会会員