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コロナより怖いのは人間

コロナより怖いのは人間

トイレットペーパーが街の棚から無くなる店舗が出てきているようですね。

総理大臣までが、トイレットペーパーは国内生産であり、中国を含めたサプライチェーンには問題がないと言及する、という異常な事態です。

今朝はこんなニュースを見つけました。

「コロナよりも怖いのは人間だった」。ドラッグストアの店員が語る恐怖の体験
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200301-00010002-bfj-soci
この中で、一生懸命お客様対応をしている店員さんからは、罵声を浴びせるよりも、一言でもありがとうがあれば、と悲痛な叫びを吐露しています。

SNSで急速にデマも広がる、広げられる時代であるため、アオサや長芋までも感染予防効果などないにも関わらず売り切れていきます。

そうなると、買い占め、転売で不当に儲けようとする人が喜ぶだけです。

マスク転売で2000万円 新型コロナでボロ儲けする中国人美女
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200301-00000001-friday-soci

大切なことはインターネットやSNSに氾濫する情報に対する真偽を見分けられる能力(これを情報リテラシーと言います)を養うことです。

そもそも、以前のブログでも記載しましたが、医療者の間では通常のマスクにウイルス感染予防効果は無いことが常識です。

 サージカルマスクは直径5μmまでの粒子を除去しますが、細菌の大きさは約1μm、ウイルスは0.02~0.1μm程度で、マスクで防ぐことはできません。

 ただし、咳やくしゃみは、粒子の周りに水分を含んだ直径約5μmの飛沫となって飛ぶためサージカルマスクも意味があります。マスクは、咳やくしゃみをしている人がすべきものなのです。


https://www.nishinippon.co.jp/sp/image/165596/

接触感染は、手指で顔を触ることで、口や鼻、目の粘膜から感染する機会が増えることから、手洗い前に不用意に顔を触ることは避ける方が良いでしょう。

https://note.com/syuichiao/n/n0bb3d9b4f806

また、コロナに限らず冬の乾燥した時期はインフルエンザや通常の風邪、肺炎も増えるのが普通です。

高齢者、免疫抑制患者さんは、毎年となんら変わらない対策をするだけで十分です。

すなわち、すべてのウイルス感染対策は、適度に水分を取り喉を潤すこと、手洗いをすること、不用意に目、鼻、口を触らないこと、体を冷やさないこと、適度に運動をすること、体温を高めること、ちゃんと寝ること、疲れを溜めすぎないこと、など、生活の基本を守ることに尽きます。

コロナばかりに過敏になりすぎるのは、トイレットペーパーの例が示すように、我々の生活に不利益を起こすことが多いように思います。

コロナウイルスについては、すでに市中感染が広がってきており、インフルエンザと同じく、感染を完全に制圧し、感染を避けるということはできなくなっています。

爆発的な感染拡大が起これば医療機関が対応に追われて、コロナどころか通常の病気の患者さんの治療に手が回らなくなります。

そちらの方が国民への不利益が大きくなります。

そのためにほ、感染拡大を防ぐことができなくなった現状では、感染拡大のスピードを緩やかにすることが大切です。

そういう意味では、子供は重症化する確率は少ないながらも学校の休校をしたことは、子供が高齢者への感染媒介者となりうるため、正解だったと思います。

また、健康保険でコロナウイルスの検査ができるようになるそうですが、これも上記観点から意味がないどころか、医療の弊害になります。

それについては、内科クリニックの先生が詳細な記載をしてくれています。
http://www.someya-clinic.jp/blog/sometaka/2020/03/post_279.html

インフルエンザのような簡便な検査キットがないこと
PCR検査で陰性でも、偽陰性の可能性は拭えないこと。つまり、検査陰性は100%の陰性を保証するものではないこと。
などから考えれば、テレビで感染症専門と言われる医師ですら、全国民にPCR検査を受けさせろと叫ぶことは、専門家として非常識なことがわかります。

軽症であればコロナといえどただの風邪。
重症となり肺炎になることがいけないのですが、これはコロナに限らず、インフルエンザでも細菌性肺炎でも同様です。

そうしたことから、現在示されている指針である、37.5度以上の発熱が4日以上続いた場合に医者にかかろう。
高齢者や免疫抑制患者さんでは2日以上。
息苦しさやダルさが強い場合には医者にかかろう。
ということが、医療機関をパンクさせないためにも、不用意にコロナ感染を拡大させないためにも重要なことだと思います。

それよりも大切なことは、コロナに限らず疲れを溜めないこと、ちゃんと寝ること、タンパク質やビタミン、ミネラルの栄養をちゃんととっておくこと、手洗いをちゃんとすること、なのです。

情報リテラシーを持って、怪しいデマに惑わされずに通常の生活を続けたいものです。

この記事の執筆者プロフィール

さいとう整形外科リウマチ科

院長 斎藤究

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

院長紹介

日本整形外科学会専門医・日本リウマチ学会専門医・日本整形外科超音波学会会員

経歴

1999年

国立浜松医科大学卒 国立国際医療センター 内科研修医

2001年

東京災害医療センター 救命救急レジデント

2002年

刈谷総合病院 整形外科

2006年

名古屋医療センター 整形外科リウマチ科 /
名古屋医療センター 卒後教育研修センター指導医

2010年

Los Angeles Veterans Affairs hospital留学

2011年

さいとう整形外科リウマチ科平和が丘に開院

主な著書

あなたも名医! 運動器エコー 痛みの臨床など6著書(共著含む)

PROFILE

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

日本整形外科学会専門医日本リウマチ学会専門医日本整形外科超音波学会会員