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シムジア Expert Meeting in Nagoya

シムジア Expert Meeting in Nagoya

今日は全国から15人のリウマチExpertが集まり、シムジアのbest useを考える会に参加してきました。
名古屋医療センターの研修医だった久保先生は、名古屋医療センター研修終了後にリウマチ膠原病の名門 産業医大に入局し、論文や発表も多数こなされ、超一流のリウマチ医になって今回名古屋の発表に凱旋されていました。

以下、今回の会のエッセンスです。
専門的な内容ですが、こんなことが話し合われているんだという参考に眺めてみてください。

ucb主催
Expert Meeting in Nagoya

金子先生発表
ヒュミラADAには10㎎以上のMTXを併用しないと十分に疾患活動性を抑えきれない?
Simponi(golimumab) 6㎎以上のMTXを使っていれば効果十分 10㎎を超えるMTXでは感染症の頻度が増える? 100㎎投与で関節破壊抑制効果が十分となる。50㎎では弱い。
高薬物抗体も少なく、継続率は高い。高疾患活動性の患者ではMTX7.5㎎+GLM50㎎では弱いので増量が必要。
シムジア(CZP) monotherapyでも効果があった。6-8㎎のMTXが入っていれば疾患活動性が非常に高くても、臨床症状、関節破壊抑制効果が高い。

産業医科大学 久保智史先生発表
TNF阻害薬の進歩 当院における100例のCZP使用経験から
TNF阻害薬には十分量のMTXが必要とされる。なぜ?
中和抗体ではないなら、ヒュミラなどで抗体ができてもよいのではないか。
MTXを必要とするのは抗体を作らせないためではない。
樹状細胞、抗原提示細胞➡Tfh細胞の活性化、炎症の活性化➡破骨細胞、滑膜線維芽細胞、軟骨細胞
ヒトT細胞、B細胞のphenotype
RA患者の末梢血ではTfh増加を伴う。Th1は減っている。
Follicular helper Tcell(Tfh)➡B細胞活性化
MTXは葉酸拮抗薬だから細胞回転周期の早いものをやっつけるとするとリンパ球をターゲットとしているのか。
TNFはリンパ球の分化にはほとんど関係ない。炎症に関与。
関節リウマチは炎症病態でありながら免疫病態。
AbataceptはT細胞に作用している。TCZはT細胞にはあまり影響していない。B細胞の活性化を抑制している。
TNF阻害薬はB細胞への効果は弱いため、MTXが必要なのだろう。

決定木分析 decision tree analysis
Bio naïve 376例 にTNF使用 78%が低疾患活動性に。
HAQ>1.0、罹病期間≧7か月 MTX<14㎎ では低疾患活動性に入りにくい
TCZ bio naïve 114例 
男性、ESR83
女性 CRP0.2
Abata 
Bionaive 192例 圧痛関節数≧17か所ではLDAに入りづらい。
圧痛関節数≦17ではEGA≧48ではLDAに入りづらい。

生物学的製剤のhead to head試験は4つしかない。
ADACTA TCZ vs ADA
ATTEST
EXXELERATE CZP vs ADA 十分量のMTXが使われていれば効果に差はない。
産業医大でADAとCZPを比較 MTXは11.5㎎程度使用
日常臨床においても2w、24wにおいてADAとCZPで効果に差はない。
CZPの決定木分析。 MTX6mgだとLDAに入りづらい。
TNFではMTX14㎎
CZPはTNFに比べてMTXに依存する傾向が弱い可能性。
CZPシムジアのC-OPERA試験では、TNFtiterに依存しない関節破壊抑制効果
IFXレミケード rising studyではIFX10㎎に増量すると効果増強
従来のTNFに比べて、CZPではMTX6-8㎎程度でも高疾患活動性でも構造的寛解が達成できるのではないか。
CZPの適応 1stBIO TNF阻害薬二次無効、MTXが8㎎以上使えない。妊娠希望。

長野赤十字病院 林真利先生
長期的視点に立ったリウマチ治療
継続性と安全性
BIO、MTX,PSLは用量調整を微調整しながら行っていく時代。
患者自身がちゃんと薬を使ってくれているかどうかも重要。コンプライアンスの問題。
訪問薬剤管理指導後には、病状も改善した。医師には言わないが、自己判断で内服や注射を中断していたり、プロポリス(葉酸が入っている)などの健康食品を内服していた患者も見つかった。

CPZloading治療後の治療効果減弱例において、追加治療強化が治療継続性に影響するのか。
TBCRレジストリーから71例のCPZ患者を対象。
4w➡8wで改善していない患者の24wを検討
CZP24w継続率74%
DAS、VASで4wから8wで改善を認めていないと24wまでにCPZが中止となる例が多い。
手術前休薬機関 投与間隔+1w

GLMはMTX併用、非併用で継続率に差はなかった。MTX中止も可能?
CPZは臍帯血中の血中濃度も低い。出生児の血中にもCPZは移行していない。
UCBデータベースより625例のCPZ使用妊娠報告。うち372例の結果が分かった。
シムジアを使いながら妊娠 出生74.9% 流産15.3%、人工中絶9.4%、死産0.3%
通常でも流産は15%であり、シムジア妊娠のデータと差はない。

PROFILE

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

日本整形外科学会専門医日本リウマチ学会専門医日本整形外科超音波学会会員