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強直性脊椎炎の画像診断

強直性脊椎炎の画像診断

今日はabbvie主催、第2回Spondyloarthritis Imaging Seminarに参加してきました。
藤田保健衛生大学 整形外科の森田充浩先生の会で、small groupで延々discussionが尽きない会と聞いて来ました(^_^)。
19:00終了予定で、終わったのが20:30を回っていました。
噂通りです( *´艸`)

僕も自験例から強直性脊椎炎と関節リウマチの区別が難しい、seronegativeなオーバーラップ症例について提示させていただきました。

今日のご講演は、聖路加国際病院 放射線科の野崎太希先生。
放射線科医には珍しく、整形外科・脊椎・骨軟部病変にとても詳しい先生で、ご自身も肩関節学会に所属されていたり、関節の解剖も行うハイブリッドな先生です。

今日は「脊椎関節炎の画像診断における読影のポイント」
として、これでもか!と60分の講演時間を30分間オーバーしての画像シャワーを浴びせてくれて、大変ためになりました。

僕は遅れて参加になってしまい残念でしたが、聴講のmemoを皆さんとshareさせて頂きます。

強直性脊椎炎の脊椎MRI
T1とSTIR or Fat sup T2が必要
硬化性病変をチェックするためにT1は必要。
仙腸関節はSTIR or Fat sup T2

MRI:椎体や椎間板が白くなっているびまん性の破壊性病変:Anderson病変
XP 椎体辺縁のerosionによる欠損像:Romanus lesionとその周囲の硬化性変化:Shiny corner→椎体全体が四角く見えるようになるSquaring

Pre-radiographic SpA
STIR,fat sup T2、、、骨髄浮腫を見る。特にFluid-sensitive MRI sequenceと指定して撮影する。
T1 炎症後脂肪変性、骨髄浮腫、骨硬化の評価

仙腸関節病変のMRIsignal
骨炎、骨髄浮腫 T1low STIRhigh
脂肪変性 T1high STIRlow
硬化性病変 T1low STIRlow
仙腸関節滑膜炎は造影しないとわからない。

腸骨硬化性骨炎 Osteitis Condensans illi
SpAに移行する症例報告もある。MRIでは鑑別難しい。
レントゲンの硬化像から診断。両側対称性。通常仙腸関節の狭小化はない。
腸骨側主体の三角形の境界明瞭な硬化像。

仙骨不全骨折も鑑別に。

脊椎病変の鑑別
SpAと化膿性脊椎炎、結核性脊椎炎は鑑別必要。生検すべき。
化膿性脊椎炎は下位腰椎に多い。結核性脊椎炎は胸腰椎移行部に多い。
Hodgkin病やmetaもSpAと鑑別困難。生検すべき。
SAPHOも鑑別に入る。

Modic変性(type1)は化膿性脊椎炎と鑑別困難。臨床的に結核、細菌感染が否定できなければ生検。

椎体中央のラインは血管溝

胸椎前面には正常高齢者でも前十靱帯骨化症がみられ、bamboo spineとの鑑別を要するが、臨床的に判断する。

PROFILE

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

日本整形外科学会専門医日本リウマチ学会専門医日本整形外科超音波学会会員