10/24水曜日は、診療後の夕方から岡崎へお出かけし、
加藤整形外科の加藤武史先生と
リウマチが専門ではないけれど
リウマチの患者さんを診療している
開業医の先生たちに向けて
インターネットwebセミナーを行いました。
今は関節リウマチの治療薬が進化して
専門医にかかれば
ほとんどの人がリウマチを忘れられるほど
よくなることができるようになっています。
その一方、専門医にかかっていない患者さんは
まだなかなかリウマトレックスやメトレートといった
基本のMTX製剤も十分に使われておらず
注射の生物学的製剤や、
JAK阻害薬という低分子化合物の内服薬も
使用できずにいます。
何より大切なことは、
足趾を含めて全身の関節をちゃんと触診して、
壊れる可能性のある関節を超音波で見抜いて
発症超早期の関節が壊れる前の段階で
治療を開始することです。
今回は、
これだけは覚えておきたい!
プライマリケアのリウマチ診療
というタイトルで
僕からはリウマチ診断編として
手がこわばる、と患者さんが訪れた時に
鑑別すべき疾患と考え方についてお話ししました。
続いて加藤先生からは治療編として
いかに早期にMTXを増量するか
寛解に至らなければ速やかに生物学的製剤を導入するか
そして、加藤先生が実践されている、
リウマチ発症早期に行う
ヒュミラとMTXの同時投与の経験などを
お話していただきました。
現在は基本のお薬であるMTXを
いかに早く16mgの最大容量まで増量して
その人に必要な有効血中濃度に達するか
がとても大切であると言われています。
僕や加藤先生の実経験でも
診断してすぐにMTX8mg
2週後に12mg
その後2〜4週で16mgまで増量して
速やかにMTXの効果を最大限発揮します。
副作用としての吐気や倦怠感、
採血異常値などがみられたら、
HIT&AWAYで速やかにMTX容量を減らします。
それでも寛解に至らなければ、
早期にその人に1番よいと思われる
生物学的製剤をチョイスします。
特に発症超早期の人であれば
ヒュミラを選択します。
HIT EARLY & HARD
そして
HIT & AWAY
がとても大切なコツです。
ヒュミラは寛解後に中止できる患者さんも
他の生物学的製剤に比べて多く、
実際に関西グループのANSWER cohortでも
それを証明する論文が出てきました。
発症超早期のリウマチ患者さんに
出会うことの多いプライマリケアの先生が
ちゃんとリウマチを診断して
MTXを使いこなし、
必要であればヒュミラまで導入して
BIO freeまで達成する。
そんな治療格差のない時代が来るとよいですね。
もちろん、自分ではそこまでなかなか治療できない
という開業医の先生は
速やかに専門医に紹介していただきたいと思います。
治療も診断の技術も確立されてきた現在では、
医師がいかに早く診断するか
が1番大切なポイントになってきています。
今回の企画をしてくださったabbvie、エーザイの皆様と最後にパチリ。
よい機会をありがとうございました。