勤務医として整形外科をしていると、
毎日のように大腿骨頚部骨折の患者さんが入院してきます。
転んでから股関節が痛くて立てなくなり、
髄内釘や人工骨頭といった手術が必要となります。
日本の大腿骨近位部骨折についての疫学報告では、
年間10万人の女性に対し70代では500人、80代前半で1200人、
80代後半で2000人、90歳以上では3000人に達するとされます。
(J Bone Miner Metab23Suppl:78-80)
また、骨折・転倒は要介護となる原因の第3位であり、
大腿骨近位部骨折では骨折後に45%が自立困難となるとも言われ、
介護する家族の負担も大きくなってしまいます。
何より大切なことは、骨折を起こさないこと。骨折の再発を防ぐことです。
そのためには、転倒しにくい環境づくり、転倒しやすい身体要因の改善、
転倒しても骨折しにくい丈夫な骨をつくることが大切です。
これまでは骨折した方を手術して、
もう一度立ち上がるよう手助けすることが仕事でした。
これからは積極的な骨粗鬆症治療と転倒しにくい体力作りとともに、
個人個人のもつ転倒要因を考えて
骨折を未然に防ぐことに力を注いで行きます。
名東区から転倒による骨折がなくなることが
私の大きな目標の一つです。
名古屋市名東区平和が丘一丁目10番地
さいとう整形外科リウマチ科
院長(未) 斉藤 究