TNF阻害薬を使っているRA患者ではCOVID-19が重症化しないかもしれない、というCOVID-19 Global Rheumatology Alliance Registryの情報です。
TNF阻害薬というのは、レミケード、エンブレル、ヒュミラ、シンポニー、シムジアなどの薬剤名の生物学的製剤です。
この報告の対象患者さんの背景などが分からないので詳しいことはわかりませんが、リウマチは新型コロナに感染しやすいのではないかと不安なリウマチ患者さんの安心にもつながるのではないでしょうか。
人種の違う日本人でのこれからのデータの蓄積も待ちたいところです。
最近来院されたリウマチ患者さんの中には、コロナが怖いからと内服しているお薬を自己中断したり、自己減薬したりしていた方もいらっしゃいました。
もちろん、リウマチの病状は悪化して、関節がいくつも腫れていました。
腫れるだけならまだいいのですが、1度落ち着いていたリウマチに火がつくと、これまで飲んでいた量よりも多くのお薬を必要とする場合もあり、また関節が腫れたままだとだんだん骨に穴が開き、軟骨が溶かされていくのがリウマチの怖いところです。出来るだけ落ち着いた状態を長く続けていくのが大切なんです。
ワイドショーなどで不安と恐怖を植え付けられて、必要以上に過敏になっている方もいらっしゃいます。
かかるかわからないコロナばかりが頭の中を支配してしまい、自分の病気のコントロールよりもコロナを優先することで、確実に悪くなる未来を選択してしまうのは1番体によくありません。
上記のような朗報もありますので、過度にコロナを恐れることなくしっかりとリウマチのコントロールを行い、関節機能を正常に保つことが何より大切です。