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リウマチ 乾癬性関節炎 超音波診療の会 TUI

リウマチ 乾癬性関節炎 超音波診療の会 TUI

9/22、23と、リウマチや乾癬性関節炎の超音波診療の会に出席してきました。
TUI Targeted Ultrasound initiative
という国際的なリウマチ超音波の研究・発展・教育のための会で、
昨年につづき日本では2年連続の開催となりました。

今回のテーマは主に乾癬性関節炎

乾癬性関節炎の超音波所見につき、現在分かっていることのOVERVIEW
実際の患者さんで超音波のhands on
TUIとしての超音波診断・治療のアルゴリズムの草案についてディスカッションが行われました。

Walter Grassi先生(イタリアンマフィアのように貫禄あり)
Maria Antonietta D’Agostino先生(膝上丈のガーリーなワンピースに身を包む年齢不詳の美しさ)
Esperanza Naredo先生(ノリのいいおば様)
日本からは池田啓先生
など、超音波会の有名人がfacultyメンバーとして運営されています。

乾癬性関節炎は、皮膚所見として乾癬が先行している場合に関節症状が出てきたときには
診断も比較的優しいですが、
関節症状が先行して皮膚所見があとから出てくることもあり、
そういう場合にはリウマチ因子や抗CCP抗体が陰性の
seronegative oligoarthritis、poly arthritis、seronegative RAなどとして
診断が未分類のまま、症状に対処していかなくてはならないこともあります。

リウマチでも、乾癬でも、強直性脊椎炎でも、
関節症状に早期に対処しておかなくては関節が壊れてしまい、
日常生活に機能障害をきたす(ADL障害)ため、
診断が未分類でも治療を開始しなくてはならないことがあります。

その時に超音波を活用することで、治療が必要かどうかの確実性を高めることができます。

関節内で滑膜の増殖がみられ、増殖部位にドップラー陽性所見があれば関節リウマチの診断は比較的容易です。
乾癬性関節炎では、爪、皮膚、腱、腱付着部、関節の5targetが観察ポイントになります。
関節では、リウマチと異なり関節水腫は少なく、滑膜増殖の部位だけにドップラーが乗るのではなく、腫れた関節包内全体にドップラーが陽性になります。
腱では、腱の厚みが増し、周囲の水腫、腱内・腱周囲にドップラー陽性像がみられます。
付着部では、腱付着部の膨隆、浮腫によるhypo ecogenicity、付着部の最外層の骨棘だけでなく、腱の付着する骨表面にmultipleなerosionと骨増殖で凸凹した所見がみられます。
皮膚や爪は肥厚して、皮下組織に浮腫像やドップラーが陽性になります。

今回のhands onで驚いたのは、実際の患者さんに、所見のある関節が痛むか伺ったところ、
超音波上で強くドップラー陽性になっているところでも痛みを感じていない場合も多かったことです。
いわゆるsubclinicalなエコー所見ということになりますが、これをどこまで治療する必要があるのかは謎です。

リウマチでは関節にドップラーが強く陽性であれば関節破壊につながる、というデータが認められているので、超音波は治療中のモニタリング、寛解の判断と、診断だけでなく治療にも有用なツールとなっています。

しかし乾癬の所見の場合にはこういうsubclinicalな腱の肥厚や炎症がどれだけの臨床的意義があり、患者さんの関節機能を不可逆的に壊してしまうのかはわかっていません。
また、たとえ腱付着部の骨表面がmultipleに肥厚したとしても、関節の可動域制限を起こしたりするような病変に発展していくのかも謎です。

確かに、乾癬の中にはpencil in capと呼ばれる指のDIP関節の高度破壊所見も見られるように、ある一定の患者さんではそのような関節破壊が起こるのですが、どのような乾癬の超音波所見や患者さんの自覚症状が関節破壊という望ましくない未来とつながっているかは、まだ謎です。

そして、超音波の陽性所見を、どこまで陰性にするため治療を強化しなくてはならないかも謎です。

今回の会では、最終的にTUIとして提案する超音波診療アルゴリズムの試案を作ろうとしていました。
まずはこういう方法で超音波治療を進めてみよう。
そして、こういう場合にはこうなったという結果が、今後集まってくることで、それらの謎と疑問に対する答えが見えてくるのでしょうね。

乾癬という皮膚と関節を侵す病気。
強直性脊椎炎という、背骨、仙腸関節が固まってしまう病気。
これらはリウマチと同じように生物学的製剤という治療が先行して発展したために
レントゲンでわかるような典型的な破壊像を認める前に診断・治療する必要性が出てきました。

関節がこわばる、痛いといった症状の方
朝起床時の腰痛が強くて、動いていると楽になってくるという炎症性腰痛が疑われる方、
(筋膜性腰痛の患者さんでも、起床時に強く、動いていると楽になる腰痛がみられます。)
乾癬をお持ちの方で関節の痛みや腫れがみられた時
クローン病や潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患の方で関節の腫れや痛みがみられた時
などに、SpA脊椎関節炎を疑って、超音波診断、MRIによる脊椎仙腸関節の評価などを行い
早期に関節症状を捕まえること。
そして治療しながら痛みや腫れと言った臨床症状を注意深く観察し、超音波所見と照らし合わせることが大切です。

リウマチ、乾癬、強直性脊椎炎でお悩みの方、超音波で診察を希望される方は下記までご連絡くださいね。

さいとう整形外科リウマチ科
名古屋市名東区平和が丘1-10
TEL 052-776-3110

この記事の執筆者プロフィール

さいとう整形外科リウマチ科

院長 斎藤究

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

院長紹介

日本整形外科学会専門医・日本リウマチ学会専門医・日本整形外科超音波学会会員

経歴

1999年

国立浜松医科大学卒 国立国際医療センター 内科研修医

2001年

東京災害医療センター 救命救急レジデント

2002年

刈谷総合病院 整形外科

2006年

名古屋医療センター 整形外科リウマチ科 /
名古屋医療センター 卒後教育研修センター指導医

2010年

Los Angeles Veterans Affairs hospital留学

2011年

さいとう整形外科リウマチ科平和が丘に開院

主な著書

あなたも名医! 運動器エコー 痛みの臨床など6著書(共著含む)

PROFILE

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

日本整形外科学会専門医日本リウマチ学会専門医日本整形外科超音波学会会員