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高齢化社会におけるフレイルとリウマチ診療

高齢化社会におけるフレイルとリウマチ診療

Biologics Expert Seminar in RA

今日は田辺三菱製薬主催のお勉強会に参加しました。

講演1はフレイルを考慮した高齢者医療

フレイルは要介護と健常の中間で、要介護や脂肪に陥りやすい状態
狭義のフレイル 身体的なフレイル 
広義のフレイル CGA(高齢者総合機能評価)に基づいたフレイル

フレイルサイクル
身体的フレイル サルコペニア、低栄養、鬱、廃用
精神的フレイル 認知機能障害、鬱
社会的フレイル 孤立 閉じこもり
→転倒、骨折、せん妄、要介護

サルコペニア
筋肉量の低下、筋力の進行性の消失
身体機能低下、QOL低下、脂肪など健康被害のリスクを伴う状態。
フレイル外来 体組成、筋力、歩行速度の評価

握力、歩行速度測定 低下あり→筋肉量測定 低下あり→筋肉の機能低下 Dynapenia
糖尿病はサルコペニアをきたしやすい。
Timed up and go test・・・ DMでは長くかかる。
DM+握力低下→脂肪、心血管疾患の死亡リスクが高まる。

DMにおけるサルコペニア発症と関連する因子
インスリン抵抗性、インスリン分泌低下
高血糖、神経障害、腎症、DM足潰瘍
低栄養 蛋白質摂取低下、ビタミンD不足
身体活動量低下
炎症 CRP、GDF15高値
ミトコンドリア機能異常、酸化ストレスなど

サルコペニア+炎症
Rheumatoid Cachexia
生活習慣 身体活動量低下、栄養、血統や脂質のコントロール不良、腹部肥満、合併症
高血糖HbA1C8.0以上→フレイルを起こしやすい。
低血糖もフレイルをきたしうる。
DMにフレイルが合併すると死亡率が上がる。

HbA1Cが低くてもフレイルは起こしやすい。6.9%ではフレイルのリスク1.4倍。

フレイルを考慮した食事療法
筋肉の機能と量を維持するために、1.0-1.2g/kg または70g/日以上の蛋白質を摂取する。
ビタミンD,A,B、ミネラルの摂取
ロイシンが筋肉の蛋白質合成を促す。(卵、魚介、大豆などに多い)

75歳以上の後期高齢者は蛋白質摂取が少ない群(<60g/日)で脂肪のリスクが高い。J-EDIT

フレイルを考慮した運動療法
レジスタンス運動 少なくとも週2回以上
多要素運動

リスク・ベネフィットを考慮した高齢関節リウマチ治療
高齢発症RA 全身症状が強い、男性が多い、肩や膝など大関節に多い
年を取ると自己免疫が増えてくる。
SLE、SSc、PM/DM、schogrenでも関節症状は55%程度で発現 RAとの鑑別要
血管炎も高齢で多い。
当初PMRと診断されていても、治療経過中に最終診断がRAと変わる患者も多い。

高齢と言えど、寛解を目指してしっかりと治療を。
リスクが高いから、と治療をしなければ介護が必要になってしまう。

PROFILE

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

日本整形外科学会専門医日本リウマチ学会専門医日本整形外科超音波学会会員