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変形性膝関節症と言われたら

変形性膝関節症と言われたら

40代後半くらいから、膝の痛みで整形外科に受診すると、レントゲンを撮影して膝関節がすり減っていることを指摘され、「変形性膝関節症」の診断を受ける方も多いと思います。

治療としては、ロキソニンやトラムセット、サインバルタなどの痛み止めが処方されたり、湿布が処方されます。ヒアルロン酸を膝関節内に注射したりすることもあると思います。

ロキソニンは確かに効くかもしれませんが、内服している間の痛みを和らげるだけで、痛みの原因を治療しているわけではありません。しかも、漫然と内服し続ければ、胃腸障害や腎機能低下につながるリスクもあります。

トラムセットやサインバルタは、脳の痛みコントロールシステムである下降性疼痛抑制系というところに働きかけて、痛みに過敏になってしまっている脳のリセットをしてくれる作用があるため、慢性的な痛みにはより適していると思います。長期に内服しても大きな副作用はありませんが、内服し始めに気持ち悪くなったり、眠気やふらつきが出たりする人がいますので、その人に合う、合わないが比較的はっきり出る薬です。

でも、本当は痛み止めを長期に内服するよりも、根本的に痛みの原因を治したいですよね。

膝の痛みがあってレントゲンで変形が認められれば「変形性膝関節症」と病名がつけられてしまうことも多々ありますが、本当の痛みの原因は変形ではないことも多いです。

筋肉、筋膜の治療をおこなっていると、膝を取り囲む沢山の筋肉の、前後左右のバランスが崩れることで膝の痛みが起こる事が多く、マッスル・インバランスと言います。

例えば膝につながる内ももやふくらはぎの筋肉が硬くなったり、外側広筋という太腿の外側の筋肉が硬くなったりして、膝関節のバランスを崩すのです。

足首の硬さ、股関節の硬さが膝に影響することももちろんあります。

それを、膝の隣の関節、隣接関節と言います。

患者さんは膝の痛みを訴えていても、その原因は膝ではなく、膝を取り巻く筋肉や、隣接関節である足関節や股関節の硬さが原因となっていることもよく見られます。

だから、膝の痛みがあるから膝のレントゲンだけ撮影して、変形しているから痛み止め、では本当の原因はわかりませんよね。

膝の痛みがあれば、膝を触ることはもちろん、足関節、足趾、股関節も触り、全身のバランスを見て、マッスル・インバランスを起こしている硬い筋肉はないのか触診して探す。

それが1番大切であり、当院では院長の僕自身がしっかり患者さんを触診しています。

硬い筋肉はトリガーポイントへのハイドロリリース注射によって、筋肉の動きを改善してあげることで、痛みや可動域が速やかに改善することも多いです。

僕が診察の時間内に解決できない広範囲な障害があれば、理学療法士さんにも治療チームに入ってもらい、リハビリに通院しながらバランスを改善していきます。

もちろん、レントゲン上でO脚やX脚の変形が強くて体を支えるには無理があるほど変形が強ければ、いたずらにリハビリや内服薬で引き伸ばすよりも、手術をお勧めすることもあります。

それでも、どうしても手術が嫌だ、という人もいますので、その場合はサポーターやインソール、ヒアルロン酸の関節内注射も行います。

最近では、再生医療として患者さん自身の血液を採取して、遠心分離により血液の中の有効成分を抽出して、膝関節内に注射するという治療も、自費ではありますができるようになってきており、当院でも保険診療の範囲では痛みが取りきれない患者さんが望めば対応しています。

ご自身で痛みを取るには、変形性膝関節症と言われたら、まずは膝の周りの筋肉、そして太ももやふくらはぎの筋肉を一生懸命触ってください。そして、硬い筋肉があれば30回モミモミしてください。

それでも痛みが取れなければ、僕が悪い場所を見つけるのでご相談してくださいね。

当院に受診される際は、他院で撮影したレントゲンやMRIがあれば是非お持ちください。

さいとう整形外科リウマチ科

院長 斉藤究

465-0067

愛知県名古屋市名東区平和が丘1-10

0527763110

http://saito-seikei.jp

PROFILE

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

日本整形外科学会専門医日本リウマチ学会専門医日本整形外科超音波学会会員