検査で異常がない不調や痛み それ、栄養が原因かもしれません。
注射やリハビリで痛みの治療をしていると、すぐに反応して良くなっていく人と、なかなか反応が出ない人がいます。
その違いはなんだろうと考えていくと、身体に治る力がないことや、身体に負担を強いる生活習慣から抜け出せないことがみえてきました。
そこで今回はそこを解説しようと思います。
- 身体に負担を強いる生活習慣とは?
- 筋肉が疲労しやすい要因とは? 身体に治る力がない?
- 院長がプロテインを作りました。
1.身体に負担を強いる生活習慣とは
では、身体に負担を強いる生活習慣とはなんでしょう。
整形外科でみつけるべき骨折、腫瘍、馬尾症候群などのレッドフラッグという病的な痛みを除けば、痛みの原因の多くには凝り固まった筋肉が関与しています。
例えばちゃんとコンディショニングをしているスポーツ選手の筋肉の治療反応性はとても早くてすぐに回復していきます。
しかし日常の悪いパソコン姿勢、デスクワークや運転で座りっぱなし、それで尚且つ運動習慣がない、となれば、悪い姿勢で凝り固まった筋肉を運動でリセットすることもなく、筋肉疲労は溜まりっぱなしになります。
するといくら治療してもまた悪くなって痛みが再発するのは目に見えています。治療の改善度合いも生活習慣の良い人に比べたらゆっくりです。
筋肉が持続的に収縮し続けなければいけない姿勢で長時間過ごしたり、椅子で太腿裏の筋肉が圧迫され続けることで、筋肉自体の血流が悪くなって張りが生まれたり、筋肉の中にトリガーポイントというしこりのように硬くなった部分ができたりします。
現在の自分の筋力を超えた過度な運動はもちろん、自分が意識していない繰り返し動作でも同じ筋肉を酷使するため、筋疲労やトリガーポイントを生む原因になります。
硬くなった筋肉は神経や血管を圧迫して痺れや筋出力低下の原因になることもあります。
その筋の硬さを触診で探り当て、電気治療や理学療法士によるリハビリを行ったり、ハイドロリリースやトリガーポイント注射といった注射治療を行うと筋肉がほぐれて楽になります。
同時に大切なことは、筋肉の負担の少ない正しい姿勢で過ごすことや、同じ姿勢を長時間取り続けないこと、適度な運動や体操をしてリセットすることになります。
良質な睡眠もとても大切です。
睡眠は身体を横にして、重力の影響から解放されて筋肉の緊張を解き放つことのできる時間です。
心が緊張していると全身の筋肉も緊張します。
寝る時には心の緊張も解き放ち、全てを忘れて7時間寝ましょう。それだけで不調が回復する人もいます。
2. 筋肉が疲労しやすい要因とは? 身体に治る力がない?
では、筋が疲労しやすい要因とはなんでしょう。
人と同じことをしてもすぐに疲れる。
筋肉が張りやすい、凝りやすい、攣りやすい。
万年肩こり、万年腰痛、万年頭痛
しかもそれが学生の時から。
これらは先ほど述べた姿勢と運動以外にも、長年続けている食習慣にあるかもしれません。
傷ついた筋肉を修復するにも、筋肉を増やすにもタンパク質が必要です。
そして、パスタやパン、お菓子といった糖質ばかりで、十分なタンパク質を補給できていない食習慣はビタミンBの欠乏につながります。
さらに女性であれば毎月の月経で血液を失います。
血液の大部分はタンパク質と鉄でできていますから、健康診断で貧血を指摘されなくても鉄欠乏、タンパク欠乏といった貧血予備軍の患者さんは非常に多く見られます。
そして、カルシウムは栄養素として有名ですが、カルシウムの摂りすぎが問題になることは知られていません。
カルシウムとバランスをとるマグネシウムを補うことも慢性の筋疲労をとるためにはとても大切です。
なかなか取れない不調やだるさ、慢性疲労、肩こり腰痛頭痛、手のこわばりなどの症状を回復させるためには、良い姿勢を心がけ、適度な運動と良質な睡眠、そしてタンパク質を中心とした食事が基本となります。
3. 院長がプロテインを作りました。
あなたにどんな栄養不足があるのかを見抜くためには栄養を理解して採血結果を読むことが必要になり、いわゆる正常範囲内に入っていても栄養不足が見逃されていることが多く見られます。
そのためせっかく採血をしていても正常だね、と言われて見逃されていることもよくあります。
当院では慢性の不調、痛みをお持ちの方には採血をおすすめしていますが、特に月経年齢の女性では鉄、タンパク質、ビタミンミネラル不足が目立ちます。
そのため、最近「院長のプロテイン」を作りました。
月経年齢の女性が必要なタンパク質に、吸収の良いヘム鉄を配合し、マルチビタミンとミネラルも入れました。
ご興味のある方は当院受付までお伝えいただければと思います。現在のところ院内での販売のみしか対応しておりません。
毎日の栄養不足を補うために基礎療法としてこのプロテインを飲用いただき、それでも足りない栄養素は別途補うことで栄養面から慢性不調の回復をサポートします。
心当たりのある方は、まずは診察にてご相談くださいね。
さいとう整形外科リウマチ科
院長 斉藤究
名古屋市名東区平和が丘1-10
052-776-3110
2023.03.19
2023 新年に
皆様、あけましておめでとうございます。
新しい年、昨年は痛みや病気で悩まれて当院でお会いした皆さん、今年はきっと良いことありますよ。
皆さんの痛みや病気が早く改善して、本当にやりたかったことができるように、僕たちも全力でサポートしますので、皆さんもその第一歩を踏み出してください。
僕(院長)はハイドロリリース・トリガーポイント注射やお薬で治療するほかにも、レントゲンや運動器超音波で痛みの原因を探したり、採血で身体を治す基本となるタンパク質、ビタミン、ミネラルなどの必須栄養素の不足がないか調べることもあります。短い診察時間の中でも患者さんの痛みの原因を発見すべく努めて、セルフケアとしてストレッチやマッサージのワンポイントアドバイスをすることもあります。
診察を助けてくれている柔道整復師が具体的にストレッチを指導することもあります。
リハビリでは理学療法士が身体の調整を行い、お家でご自身にやってもらう宿題を出してくれます。
身体は自ら筋肉や関節を動かすことで血液が流れ、酸素が供給され、回復が促されます。
特に背骨や股関節を十分に動かしていない人はとても多くて、土台となる腰が悪くなればその上に乗っている上半身、特に首や腕まで影響を受けてきます。
腰はそれより下の股関節や膝周りの筋肉の影響を強く受けますので、ここでワンポイントアドバイス。
お正月、こたつに入り浸っていた方は、ぜひ太ももの裏のストレッチをしてくださいね。
やり方は、
1 立った状態から伸ばしたい方の足を1歩前に出します。
2 前に出した脚の膝に両手のひらを当てます。
3 そのまま両膝を伸ばしたまま、お辞儀を深くしてください。
ほら、太ももの裏が伸びますね。
これをじわーっと気持ちよくモモ裏が伸びるのを感じながら、10秒数えましょう。
このモモ裏ストレッチはハムストリングという大腿後面の筋肉を伸ばすのに良いです。
普段デスクワークの人、運転が長い人も毎日やった方が良いですよ。
天は自ら助くる者を助く。
身体を動かすべき状態かどうかは診察でお伝えしますので、ぜひセルフケアの大切さを理解して、やってみてくださいね。
お正月明けは1月5日から診療しています。
もし痛みが辛かったり、関節の病気が心配な方は1月5日以降にご来院ください。
正月明けは混雑が予想されますので、朝8:30前から待っている人もいるかと思います。
風除室には電気ストーブもだしておりますが、寒いかと思いますので、早めに来院される方は身体を冷やさないように防寒をしっかりして来てくださいね。
今年も沢山の方とお会いして、「痛みが取れたよ!やりたいことができたよ!」の喜びの声をたくさんいただけるように、スタッフと共にたくさんたくさん勉強します。
開業して11年、あの時は取れなかった痛みも今はだいぶ取れるようになってきました。でもまだすぐには治せない患者さんがたくさんいます。今年も今日取れなかった痛みが明日は取れるように、たくさん勉強してレベルアップを図りたいと思います!
院長 斉藤究
名古屋市名東区平和が丘1-10
052-776-3110
2023.01.03
変形性膝関節症と言われたら
40代後半くらいから、膝の痛みで整形外科に受診すると、レントゲンを撮影して膝関節がすり減っていることを指摘され、「変形性膝関節症」の診断を受ける方も多いと思います。
治療としては、ロキソニンやトラムセット、サインバルタなどの痛み止めが処方されたり、湿布が処方されます。ヒアルロン酸を膝関節内に注射したりすることもあると思います。
ロキソニンは確かに効くかもしれませんが、内服している間の痛みを和らげるだけで、痛みの原因を治療しているわけではありません。しかも、漫然と内服し続ければ、胃腸障害や腎機能低下につながるリスクもあります。
トラムセットやサインバルタは、脳の痛みコントロールシステムである下降性疼痛抑制系というところに働きかけて、痛みに過敏になってしまっている脳のリセットをしてくれる作用があるため、慢性的な痛みにはより適していると思います。長期に内服しても大きな副作用はありませんが、内服し始めに気持ち悪くなったり、眠気やふらつきが出たりする人がいますので、その人に合う、合わないが比較的はっきり出る薬です。
でも、本当は痛み止めを長期に内服するよりも、根本的に痛みの原因を治したいですよね。
膝の痛みがあってレントゲンで変形が認められれば「変形性膝関節症」と病名がつけられてしまうことも多々ありますが、本当の痛みの原因は変形ではないことも多いです。
筋肉、筋膜の治療をおこなっていると、膝を取り囲む沢山の筋肉の、前後左右のバランスが崩れることで膝の痛みが起こる事が多く、マッスル・インバランスと言います。
例えば膝につながる内ももやふくらはぎの筋肉が硬くなったり、外側広筋という太腿の外側の筋肉が硬くなったりして、膝関節のバランスを崩すのです。
足首の硬さ、股関節の硬さが膝に影響することももちろんあります。
それを、膝の隣の関節、隣接関節と言います。
患者さんは膝の痛みを訴えていても、その原因は膝ではなく、膝を取り巻く筋肉や、隣接関節である足関節や股関節の硬さが原因となっていることもよく見られます。
だから、膝の痛みがあるから膝のレントゲンだけ撮影して、変形しているから痛み止め、では本当の原因はわかりませんよね。
膝の痛みがあれば、膝を触ることはもちろん、足関節、足趾、股関節も触り、全身のバランスを見て、マッスル・インバランスを起こしている硬い筋肉はないのか触診して探す。
それが1番大切であり、当院では院長の僕自身がしっかり患者さんを触診しています。
硬い筋肉はトリガーポイントへのハイドロリリース注射によって、筋肉の動きを改善してあげることで、痛みや可動域が速やかに改善することも多いです。
僕が診察の時間内に解決できない広範囲な障害があれば、理学療法士さんにも治療チームに入ってもらい、リハビリに通院しながらバランスを改善していきます。
もちろん、レントゲン上でO脚やX脚の変形が強くて体を支えるには無理があるほど変形が強ければ、いたずらにリハビリや内服薬で引き伸ばすよりも、手術をお勧めすることもあります。
それでも、どうしても手術が嫌だ、という人もいますので、その場合はサポーターやインソール、ヒアルロン酸の関節内注射も行います。
最近では、再生医療として患者さん自身の血液を採取して、遠心分離により血液の中の有効成分を抽出して、膝関節内に注射するという治療も、自費ではありますができるようになってきており、当院でも保険診療の範囲では痛みが取りきれない患者さんが望めば対応しています。
ご自身で痛みを取るには、変形性膝関節症と言われたら、まずは膝の周りの筋肉、そして太ももやふくらはぎの筋肉を一生懸命触ってください。そして、硬い筋肉があれば30回モミモミしてください。
それでも痛みが取れなければ、僕が悪い場所を見つけるのでご相談してくださいね。
当院に受診される際は、他院で撮影したレントゲンやMRIがあれば是非お持ちください。
さいとう整形外科リウマチ科
院長 斉藤究
465-0067
愛知県名古屋市名東区平和が丘1-10
0527763110
http://saito-seikei.jp
2022.04.09