院長ブログ

出会いに感謝

先日、愛知医科大学に足を運びました。

愛知医科大学の解剖学の内藤教授とお会いするためです。

毎日患者さんの痛みの原因となる場所を、触診と超音波を使って探しておりますが、そのためには解剖の詳細な知識が必要になります。

超音波を見ていても、それが何かわからなくては診断も治療効果も切れ味鋭くはなりません。

開業から8年間、教科書やパソコンアプリ、そして実際に触診と超音波での観察を通してだいぶ腕は上がってきたと思いますが、やればやるほど実際の解剖ではどうなっているのかという疑問が湧いてきます。

そこで愛知医科大学の痛みセンターの牛田先生にご相談したところ、解剖学の内藤教授にお話をつないでいただき、この度お会いすることができました。

解剖学の分野でも筋膜は非常に注目されており、内藤教授もエコーと筋膜についても研究されているとのことで、僕の治療実例も見てもらいながら話が盛り上がりました。

一緒に早稲田大学スポーツ科学科の教授で筋膜の研究をされている川上教授もお会いすることができ、研究生の先生からは本物の大腿筋膜を見せていただき、その伸縮性や張力方向について議論を交わしました。

今後、医学生さんの解剖学実習にも顔を出して、実際のご遺体で筋肉や神経を見せてもらえることになりました。

学生の時にはもちろん解剖学実習は行いましたが、医者になって20年の治療経験の上で見る実際の解剖は臨床に直結するものになります。

それにより、また沢山の患者さんの痛みが取れるようになるのではないかとワクワクしています。

今度当院にも内藤教授、川上教授が訪れ、僕の治療の実際を見にきてくれることになりました。

これまたワクワクです^_^

2019.03.30 | コメント(0)

強直性脊椎炎、脊椎関節炎

今日は名東区役所の講堂にて、
なごやかクラブ(旧老人クラブ)の講演会で
「変形?狭窄?いいえ、筋肉です。筋肉が起こす痛み」というテーマでお話をさせていただきました。

講堂を埋めつくす聴衆の方を前に、筋肉の起こす痛みの秘密について1時間たっぷりお話しさせていただきました。

その後、名古屋大学を中心としたリウマチネットワークの勉強会に出席してきました。

今日のテーマは強直性脊椎炎。

確定診断はニューヨーク基準。
レントゲンで異常がなくては診断基準に当てはまらない。
しかも人によってレントゲンの読影による判断も差がある。
リウマチで言えば、骨に穴が開いてから診断しているようなもので、この基準では初期の強直性脊椎炎は診断できない。

診断までに、欧米では5〜7年かかる。
日本ではなおさら時間がかかっているだろう。

典型的なbamboo spineでなくても、乾癬、炎症性腸疾患、サルモネラやクラミジアによる反応性関節炎なども脊椎関節炎の症状を呈することがある。

レントゲンでは所見が出ない段階で、MRIから診断する動きがあり、non-radiographic SpAと呼ばれる。

特にHLA-B27が陽性の患者では注意してフォローが必要。

ASAScriteriaで早期診断早期治療へ。

末梢関節炎のある脊椎関節炎はリウマチと診断されてしまうことも。
末梢関節炎+炎症性腰痛、付着部炎で疑いましょう。
手指、足趾の指炎、爪病変
乾癬の皮疹や、家族歴の有無
腸炎、ぶどう膜炎
の問診も重要。

NSAIDsは痛い時だけ飲むよりも、継続的に内服した方がレントゲンの変化は少なかった。という結果もある。

2019.02.20 | コメント(0)

リウマチ JAK阻害薬を語る会

今日は新しいリウマチの内服薬 オルミエント、JAK阻害薬と生物学的製剤について少人数のエキスパートで語る会がありました。

要点を記載しておきます。

JAK USER’s MEETING

横浜医療センター井畑潤先生
関節リウマチにおけるJAK阻害剤

バリシチニブ JAK1、2阻害作用
いかに活用するか、使い方が重要

GM-CSFやType1 IFNも治験中

低分子だと抗薬剤抗体ができにくい

JAKは滑膜線維芽細胞にも作用している

JAK阻害薬間で効果の差は?
オルミエント JAK 1>2
ゼルヤンツ JAK 1>3>2

オルミエントのSTATのIC50阻害時間はゼルヤンツの1/2から2/3に留まる。
にもかかわらず、臨床的には効果を示す。
IC50だけでは臨床効果を判断することはできない。

ユリノームと併用するとオルミエントの濃度は上がってしまう。

eGFR30以上の中等度腎障害では、容量を半分の2mgに。
eGFR30以下では使用不可。
一方、中等度の肝障害では血中濃度は変わらなかった。肝障害はそこまで気にしなくても良い。

妊娠授乳 胎盤通過する。動物では催奇形性がある。乳汁にも濃縮されて移行する。
妊娠、授乳には使わないように。

肺塞栓、深部静脈血栓症が少数例みられる。因果関係は不明だが注意を。

筋症状を伴わないCK上昇が見られることも。

感染症のリスクは2mgよりも4mgで多い。容量依存性?

帯状疱疹に注意。50代から増える。
単純ヘルペスは増えない。
リスク因子 年齢、罹病期間、糖尿病、帯状疱疹の既往
MTXやステロイドは関係ない。

減量、休薬 RA-BEYOND試験
減量群で15%が再燃
継続群で10%が脱落

discussion
MTXを最大容量まで使っても寛解導入できない患者さんに併用し、寛解導入できたらMTXはどんどん減量して、単剤で使用も可能ではないか。

EULAR recommendationでは、歴史の長い生物学的製剤をJAKよりも優先して用いることを推奨

JAKは多剤無効例に使用しているという先生も。2mgで使用することでコストダウンもできるが、寛解達成しているかしっかり確認すること。高疾患活動性でも2mgで効くことがある。

オルミエントは3日ほど飲むと痛みが取れるため、アドヒアランスは良い。倦怠感、疲労感はよく取れる。生物学的製剤のように冷蔵する必要もない。

JAKは一次無効はあるが、抗薬物抗体による二次無効はほとんどないのではないか。そのため、2mgから始めて4mgにするのもあり。

アドヒアランスの問題は注射にも内服にもある。患者さんにリウマチというものを理解してもらい、用法用量を守ることが高価と安全性の面からも大切であることを認識していただくことが重要。

ゼルヤンツ 5mg 1日2回 70%が肝代謝 タクロリムスは併用禁忌
オルミエント 2〜4mg 1日1回 75%が腎排泄

2019.02.06 | コメント(0)