ためしてガッテン リウマチでしたね!
今日9/8のためしてガッテン!は
リウマチ特集でしたね。
東京女子医大の田中栄先生が出演なさっていました。
僕はといえば、ちょうどその時間に「リウマチ関節エコー入門」というお話を、web講演でしていました。
当院には健康診断でリウマチ因子RFが陽性だったと、リウマチを心配されて来られる患者さんもいれば、指がこわばると言って来院される方、親がリウマチだったから心配、という方など、さまざまな患者さんが訪れます。
もちろん、本当に関節リウマチです、と診断しなくてはならない方はとても少ないのですが、「リウマチのような症状」を呈する方はたくさんいらっしゃいます。
健康診断でリウマチ因子が陽性だった方では、自覚症状としての関節痛も、診察による他覚所見としての関節腫脹(腫れ)もない方が大半でその時点では全く治療の必要はありません。
指の関節がこわばる、という患者さんでは50歳前後の女性が非常に多く、その時期には閉経前後の更年期症状として筋肉の凝りが強く出たり、ヘバーデン結節やブシャール結節といった軟骨が擦り減って関節が変形してくる加齢性の変化もよく見られる時期です。
診察では丁寧に手の指だけでなく、足の指まで触って触診することがとても大切です。
さらに、今日のオンライン講演で視聴者の先生方にお伝えしたのは、足はちゃんと触ることはもちろん大切なのですが、触診の感度が鈍くなるため、リウマチが疑われる患者さんでは必ず足趾関節の超音波検査を行うことが大切ということ。
これはリウマチ関節超音波のレビュー論文でも示されていますし、私の経験上もそうです。
今はMTXというコストパフォーマンスの良い治療薬はもちろん、薬剤費はかかるものの生物学的製剤という自己注射薬や、5種類のJAK阻害薬も使えるようになり、ほとんどの患者さんがリウマチを忘れて生活できる「寛解」というゴールに達することができます。
それだけでなく、超音波で検査してもリウマチが消えている超音波寛解に達した患者さんでは、薬剤の減量ができることもよくあります。
さまざまな治療の選択肢が広がった現在、特に大切なのはきちんと足の指まで触診し、リウマチの可能性があるのであれば超音波まで行い早期診断につなげることです。
関節の痛みやリウマチが心配、という方は、お気軽にご相談くださいね。
さいとう整形外科リウマチ科
院長 斉藤究
名古屋市名東区平和が丘1-10
052-776-3110
2021.09.08 | コメント(0)
何を食べるか ではなく 誰と食べるか
久しぶりに、メルマガ「人の心に灯をともす」からの引用です。
コロナにおいて人と出会い、親交を深めることが難しくなりました。
それだけに、久しぶりのリアル学会で同じ目標に向かって頑張る仲間の先生たちとお会いできた時の喜びは本当に大きいものでした。
zoomなどのオンラインで学びの機会は増えましたが、新しい人とzoomでお会いしても記憶には薄いものです。
当たり前ですが、やはり人は実存の生き物で、その人の背格好、立ち方、雰囲気、しぐさなど、オンラインではわからない部分のほうが印象として深く残ります。
コロナはそんな当たりまえのことを思い出させてくれる、きっかけになったともいえるでしょう。
人と人とが会うこと。今回の「人の心に灯をともす」は、その大切さを教えてくれるメルマガでした。
以下引用です。
小林正観さんの心に響く言葉より…
人生には「折り返し点」があります。 寿命が80歳の人であれば、人生の折り返し点は「40歳」。
折り返し点を過ぎて、「人生の半分を越えた」と思える人は、次のことに意識を切り替えてみることをおすすめします。
●旅をするときは、「どこに行くか」ではなく「誰と行くか」
●食事をするときは「何を食べるか」ではなく「誰と食べるか」
●話をするときは「何をしゃべるか」ではなく「誰としゃべるか」
私は「講演会」のほかに、みなさんからのリクエストに応じて、人間や自分の潜在能力、そのしくみや構造、宇宙の構造、神秘現象、人間の生き方・考え方などについて話し合う「合宿」を行なうことがあります。
合宿に参加するのは、40人ほどでしょうか。
合宿では、「月曜日の夕食はカレーを食べる」と決まっていまして、甘口、中辛、 辛口など、さまざまなカレーを買ってきて1つの鍋で煮込みます。
味が混ざり合い、食べてみるまではどんな味になるのか見当がつきませんが、実際に食べてみると、40人の誰1人「マズイ」と口にする人はいません。
なぜなら、 「よき仲間」と一緒に食べているからです。
同じ価値観を持って、「人の間で生きて幸せ」と思える「よき仲間」と一緒にい れば、それで天国。
「何を食べるか」は関係ないのです。
人生の後半は、「物」や「中身」を選ぶよりも、「人」を選ぶ。
「何をするか」で はなく、「誰とするか」を考えてみましょう。
どんなに楽しい場所に出かけたとしても、一緒に行く同伴者が「気の合わない 人」だったり、「価値観が違う人」だったり「すぐに不平不満を口にする人」だと したら、せっかくの旅行も台無しです。
お釈迦様は、言いました。
「もしも常にこの世を歩んで行くときに、明敏な同伴者を得ることができたならば あらゆる危険困難に打ち克って、こころ喜び、念意をおちつけて、彼とともに歩め」『ブッダの真理のことば・感興のことば』(岩波書店)
「同じ方向を向いて、同じ価値観で生きている仲間」「同じ話題を、同じように笑顔で話せる仲間」「お互いにありがとうと言い合える仲間」を見つけることに、「幸せの本質」があります。
温かな人間関係の中で生きていくことが、「天国」なのです。
『もうひとつの幸せ論』ダイヤモンド社
https://amzn.to/3lTUX5U
本書の中に「良寛和尚」の素敵な話が書いてあった。
『良寛和尚もまた、「温かな人間関係」の中で生きていた人でした。
良寛和尚が「ただそこにいるだけ」で、まわりの雰囲気が和やかになったといいます。
良寛和尚と親交のあった解良栄重(けらよししげ)という人が、江戸時代に良寛和尚の逸話をまとめた『良寛禅師奇話』を記しています。
「良寛和尚が解良栄重の家に宿泊したときのこと。
良寛和尚が家にいるだけで、上 の者も下の者も、そこにいるすべての人たちが和やかで温かな雰囲気に満たされたそうです。
そして、良寛和尚が帰ってからも、その雰囲気はしばらく続きました。
良寛和尚は宿泊中に、説教をすることも、道徳を説くことも、悟りを語ることも ありませんでした。
ときおり台所で焚き火をしたり、座禅をしたりして、ただゆっくりとしていただけ。
それでも、良寛和尚が身にまとった和やかな雰囲気から、人々は自然に教え導か れたのです。』
コロナ禍においては、大好きな仲間と話をしたり、食事をしたり、お酒を飲んだり、旅をしたり、という人と集うことができなくなった。
人生の折り返し点を過ぎてから、一番必要なこの「良き仲間と集うこと」が難しくなってしまった。
しかしながら、逆にいうと、この「温かな人間関係」が、いかに我々の人生にとって大切なことなのかが、身に沁みてわかった日々でもあった。
また、コロナ禍では、「人の流れを止める」という目的で、飲食店や観光施設、ホテルや旅館などの営業が大幅に制限された。
これも、逆にいうなら、人の流れを作る最大の施設が、飲食店や観光施設や、ホテル・旅館だということだ。
つまり、コロナが収まったら、経済の活性化策として真っ先にやる必要があるのが、この飲食関連の活性化だということ。
それはせんじ詰めれば、それら飲食関連の施設が「温かな人間関係をつくる」場所であるということに他ならない。
人生の後半には…
誰と行き、誰と食べ、誰としゃべるか。
「何をするか」ではなく「誰とするか」はとても大事なこと。
■メルマガの登録と解除はこちらから
http://hitonokokoro.com/
■「人の心に灯をともす」のfacebookページです♪
http://www.facebook.com/hitonokokoro
■【人の心に灯をともす】のブログはこちら
http://ameblo.jp/hiroo117/
■Twitterはこちらから
https://twitter.com/hiroo117
2021.08.15 | コメント(0)
MTX使用中のコロナワクチンの抗体価
LANCET RHEUMATOLOGYに、下記のような結果が掲載されました。
MTX使用中の1回目コロナワクチン抗体価が低くなる傾向がありましたが、2回目接種後には追いつくため、速やかに2回目を接種すべきとのデータです。
ただし、1週間であればMTXを中断しても構いませんが、継続的に自己中断することはリウマチの病状を悪化させる可能性が高くお勧めできませんのでご注意を。
以下引用です。
Medical Tribune編集部
関節リウマチ(RA)をはじめとする自己免疫疾患に用いられるメトトレキサート(MTX)などの免疫抑制薬は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンの免疫原性や有効性への悪影響が懸念されている。オランダ・Amsterdam Rheumatology and Immunology CenterのLaura Boekel氏らは、同国のコロナワクチン接種者を対象に、免疫抑制薬の使用とワクチン1、2回接種後における抗体陽転率およびIgG抗体価との関係を検討。免疫抑制薬使用例では1回接種後の抗体陽転率が低かったものの、抗CD20抗体使用例を除き2回接種後には改善したと、Lancet Rheumatol(2021年8月6日オンライン版)に報告した。(関連記事:「コロナワクチン、MTXで効果減弱か」「抗TNFα製剤でコロナワクチンの効果減弱」)
リウマチ性疾患、多発性硬化症患者が対象
Boekel氏は同国で実施されている2件の前向きコホート研究から、リウマチ性疾患患者、多発性硬化症患者、健康対照のデータを抽出。2021年4月1日〜6月26日にコロナワクチンを1回以上接種した者を対象に、抗体陽転率およびSARS-CoV-2スパイク蛋白質の受容体結合ドメイン(RBD)に対するIgG抗体価を測定。免疫抑制薬の影響を検討した。
期間内に条件を満たしたのは、自己免疫疾患群632例(リウマチ性疾患574例、多発性硬化症58例)、健康対照群289例だった。全体の平均年齢は63歳で、女性が67%だった。
自己免疫疾患群における免疫抑制薬の内訳は、MTX 35%、TNF阻害薬(アダリムマブ、エタネルセプト、セルトリズマブ、ゴリムマブ、インフリキシマブ)22%、抗CD20抗体(リツキシマブ、ocrelizumab)4%、非使用20%だった。接種したワクチンの種類は、アストラゼネカ製が自己免疫疾患群54%、健康対照群59%、ファイザー製がそれぞれ38%、37%、モデルナ製が8%、2%、ヤンセンファーマ製が0%、1%だった。
MTX、抗CD20抗体使用例で抗体陽転率が顕著に低下
SARS-CoV-2非感染例におけるワクチン1回接種後の抗体陽転率は、健康対照群と比べ自己免疫疾患群で有意に低く〔73% vs. 49%、調整オッズ比(OR)0.33、P<0.0001〕、特にMTX使用例と抗CD20抗体使用例で顕著だった(順に30%、6%)。IgG抗体価も、健康対照群に比べ自己免疫疾患群で低かった(8.1AU/mL vs. 3.9AU/mL)。一方、ワクチン2回接種後の抗体陽転率は両群でほぼ同等(95% vs. 92%)であり、抗CD20抗体使用例の43%を除き、MTXなど他の免疫抑制薬使用例で軒並み80%を超えていた。IgG抗体価は健康対照群で高かった(86.7AU/mL vs. 48.6AU/mL)。
それに対し、SARS-CoV-2感染例においては、ワクチン1回接種後の抗体陽転率は健康対照群で97%、自己免疫疾患群で96%であり、抗体陽転率、IgG抗体価のレベルともに両群で2回接種後の非感染例と同等だった。
以上の結果を踏まえ、Boekel氏は「MTXと抗CD20抗体の使用例では、コロナワクチン1回接種後の抗体陽転率が抑制されるが、抗CD20抗体を除き、2回接種により改善することが示された」と指摘。「医師はMTX、抗CD20抗体の使用例ではワクチンの免疫原性が損なわれることを十分に認識しつつ、そうした患者に対する2回目のワクチン接種を遅らせるべきではない」としている。
なお、日本リウマチ学会は「現時点でステロイドや免疫抑制薬がコロナワクチンに与える影響は分かっていない」としつつも、接種前後でそれらの薬剤は変更せず継続すべきとの見解を示している。
2021.08.12 | コメント(0)